工場勤務で年収1000万は可能か?10年現場にいた元ライン監督が数字で検証

深夜の工場休憩室で疲れた表情を浮かべ、年収について考え込む作業服姿の男性

『工場勤務 年収1000万』で検索したことがある人いるんじゃないでしょうか?

「このまま働いてたら年収はどれくらい上がるの?」
「10年後も給料そんなにあがってなかったらどうしよう」

不安が過っている時点で疲れているのかも知れません。

僕も工場で働いていた頃、深夜の休憩室でスマホを握りしめながら同じ言葉を打ち込んだ経験があるので、その気持ちはよくわかります。

食品メーカーと化学メーカー、合わせて10年間現場にいた立場から、この数字の現実性について正直に書いてみます。

目次

工場勤務のリアルな年収レンジ、僕が見てきた数字

具体的な話に入る前に、まず前提として押さえておきたいのが、「工場勤務」とひとくくりに言っても業種や雇用形態によって年収の幅はかなり大きいということです。

僕自身が実際に手にしていた金額をベースに、二つのケースを紹介します。

食品メーカー時代の手取り

大学新卒で入った食品メーカーでライン監督をしていた頃の手取りは、月18万円前後でした。残業や休日出勤が重なる月でやっと20万円を超える感じです。

賞与を含めた年収は300万円台前半といったところです。

アパートは選べませんでしたが、家賃補助があったので実際はもう少し余裕ありました。

決して低すぎる水準ではないものの、1000万円という数字とはかなり距離があるというのが正直な実感でした。

化学メーカー時代の手取り

転職後の化学メーカーでは、オペレーターとして個人で工程を任されるようになり、危険物取扱者の資格手当がついたことで手取りは月25万円前後まで上がりました。

日勤のみで土日祝が休みという働き方だったこともあって、条件面では前職よりも楽になったと感じます。

それでも1000万円という数字は夢のまた夢。

年収1000万に届く工場勤務は本当に存在するのか

結論から言うと、ライン作業員という立場のまま1000万円に届くケースは、僕が10年間見てきた現場ではほぼ皆無でした。

管理職まで上がって、しかもかなり長い年月をかけて、ようやく視野に入ってくる数字というのが実感に近いです。

化学メーカーは工場長まで上がって初めて見えてくる

化学メーカーでは、オペレーターから班長に上がるまでに10年以上かかるのが普通です。班長になったとしても、年収はだいたい600万円前後というのが僕の周りの相場でした。

そこからさらに管理職へ進んでも、1000万円にはまだ届きません。

大手化学メーカーで工場長クラスまで上り詰めて、ようやく1500万円前後に届くというのが、僕が見てきた現実です。

しかも管理職は残業代つきませんからね。
時給換算するとエグいことになってるかも。泣

食品メーカーは工場長クラスでも遥かに遠い

食品メーカーの場合は、もっと厳しい話になります。工場長クラスに上がるまで、最短でも15年はかかるというのが現場の感覚で、実際に僕が見てきた工場長は、みんな30年選手ばかりでした。

その15年で工場長になった方は異例のスピードで前例なしです。

能力はもちろんすごかったですが、コネがあったという黒い噂もありました。

15年かけて昇格を待つより先に、条件を見直す手もある

工場長クラスまでの道のりは長く、しかも誰もが辿り着けるわけではありません。今の会社での出世を待つより先に、条件の合う工場を探した方が早いというケースもあります。
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仮に1000万稼げても、僕が現場を離れた理由

数字だけを追いかけていくと見落としがちなのですが、僕が工場を辞めた本当の理由は、収入の低さそのものではありませんでした。ここは実体験として正直に書いておきたいところです。

数字が変わっても生活の手触りは変わらなかった

副業を始めたのも、将来的な自由を手に入れたいという気持ちからでした。実際に副業の収入が伸びていった時期もあったのですが、生活そのものはほとんど変わらなかったんです。

毎日同じ工程を同じ手順で繰り返す仕事は、稼げる額が増えたところで単調さそのものは消えません。数字の変化と、心の充実感はまったく別のところにあるのだと、そのとき初めて気づきました。

最後の引き金になった、ある仕込みミス

決定打になったのは、ある日の仕込み作業でのミスでした。手順は体に染み付いているはずなのに、その日はどこかうわの空で、材料の投入順序を間違えてしまったんです。

幸い大きなトラブルにはならなかったものの、自分の集中力がすでに限界に近づいていることを突きつけられた出来事でした。それからしばらくして、僕はうつ状態と診断され、退職を選ぶことになります。

年収の前に、自分に聞いておきたいこと

ここまで数字の話を中心にしてきましたが、これから工場勤務を選ぼうとしている人には、年収以上に確認してほしいことがあります。

単調作業への耐性は人によって全然違う

同じ工程を1日8時間、来る日も来る日も繰り返す仕事に対して、まったく苦にならない人もいれば、数ヶ月で精神的にきつくなってしまう人もいます。

これは能力の差ではなく、単純に向き不向きの問題です。自分がどちらのタイプなのか、一度立ち止まって考えてみる価値はあると思います。

「稼ぐ」と「消耗しない」は別の軸で考える

手当を重ねて年収を上げることは、工夫次第である程度可能です。ただしそれは「消耗しない働き方」とは別の話だという点は、経験者として強調しておきたいポイントです。

今の職場で年収を上げる道を探るのか、それとも条件の合う別の工場に移るのか。

その判断をするためにも、まず自分の中でどちらを優先したいかをはっきりさせておくことをおすすめします。

「年収1000万」という数字は、たしかに夢を見せてくれる響きがあります。ですが僕が10年の現場経験から言えるのは、その数字を追いかける前に、自分がどんな働き方なら消耗せずにいられるかを知っておいたほうがいいということです。

今つらいと感じているなら、それは甘えでも根性不足でもなく、単に今の環境が合っていないだけかもしれません。

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