製造業の将来性はやばい?【化学メーカー7年の現場から本音で解説】

製造業の将来性はやばい?【化学メーカー7年の現場から本音で解説】

毎日同じ作業をしながら、ふと思ったことがあります。

「この仕事、機械に置き換えられる日が来るな」

化学メーカーでオペレーターをしていた頃の話です。決められた分量の化学薬品をタンクに入れる。それだけの作業を毎日繰り返していました。手順はマニュアル化されていて、判断が必要な場面はほとんどない。正直、誰でもできる仕事でした。

体への負担も本物でした。化学薬品を扱うリスク、重いものを運ぶ腰への負担。長く続けるほど体に支障が出やすい環境で、「このまま続けて大丈夫なのか」という不安が年々大きくなっていきました。

この記事では、製造業の将来性について現場にいた人間の目線で本音を書いていきます。


目次

製造業の将来性が不安視される理由4つ

「製造業の将来性がやばい」と言われる理由は、なんとなく聞いたことがあると思います。でも実際に現場にいると、その実感はニュースや記事で読む以上にリアルです。7年間現場で感じたことをベースに解説していきます。

1. 単純作業はAI・自動化に置き換えられやすい

私がやっていた「決められた分量をタンクに入れる」という作業は、自動化しようと思えばすぐにできます。実際、大手の製造業では自動化・省人化の投資が年々加速しています。

単純作業ほど自動化のコストが回収しやすいからです。複雑な判断が必要な仕事は人間が必要ですが、手順が決まっていてマニュアル化されている作業は機械の方が正確で安上がりになります。

現場で10年働いて感じたのは、「自分がやっている仕事の大半はマニュアル化されている」という現実です。マニュアル化されている仕事は、自動化の候補になりやすいということでもあります。

2. 体が資本の仕事は長く続けられない

製造業の現場は体への負担が大きいです。

化学薬品を毎日扱うリスク、重量物の運搬による腰や膝への負担、夜勤による体内時計の乱れ。20代のうちは体力でカバーできますが、30代・40代になるにつれて回復に時間がかかるようになります。

私の周りでも、腰を痛めて現場を離れた先輩、夜勤が続いて体調を崩した同僚が何人もいました。「定年まで現場で働き続けられるか」という問いに、自信を持って「はい」と言える人は少ないと思います。

体が動かなくなったとき、製造業の現場仕事以外のスキルが身についていないと、選択肢が一気に狭まります。

3. 国内の製造業は縮小傾向にある

日本の製造業は海外移転や市場縮小の影響を受け続けています。

人件費の安い海外に工場を移す企業は増えていますし、国内の工場が統廃合されるケースも珍しくありません。「この工場、いつまであるんだろう」という不安を感じたことがある方も多いと思います。

会社や工場がなくなることは極端なケースとしても、部署の縮小や配置転換はどの製造業でも起こりうることです。

4. 製造業のスキルは潰しが効きにくい

これが一番長期的なリスクだと思っています。

工場で身につくスキルの多くは、その工場でしか通用しないものです。特定の機械の操作方法、その会社固有の作業手順。10年積み上げても、転職市場では「未経験者と同じスタートライン」になることがあります。

私自身、食品メーカーから化学メーカーに転職したとき、前職のスキルがほとんど活かせませんでした。業種が変われば機械も手順も全部違う。また1から覚え直しでした。


製造業に将来性がないわけではない

ここまでネガティブな話を書きましたが、製造業の将来性が完全にないわけではありません。

自動化が進む一方で、機械を管理・保守する人材は引き続き必要です。設備保全や品質管理、生産技術といった職種は、AIや自動化が進んでも人間が必要な領域です。

また、製造業の中でも半導体・医療機器・精密機器などの分野は国内需要が高く、将来性があると言われています。

「製造業全体がやばい」ではなく、「単純作業・肉体労働中心の現場仕事はリスクが高い」というのが正確な見方です。


将来への不安を感じているなら、今できること

「将来性が不安」と感じているなら、今の仕事を続けながらできることが2つあります。

1. 現職で手に入るスキルや資格を取り切る フォークリフト、危険物取扱者、電気工事士など、製造業で取れる資格は転職市場でも評価されます。在職中に取れるものは全部取っておきましょう。

2. 外の世界の情報に触れる 工場の中だけにいると、自分の市場価値が見えなくなります。転職サイトを見るだけでも「自分のスキルがどう評価されるか」の感覚がつかめます。登録は無料なので、情報収集だけでも始めてみてください。

製造業の将来性についてよく聞かれる質問

製造業の将来性に不安を感じている方から、よく同じような質問をもらいます。7年間現場にいた経験者として正直に答えていきます。

製造業は今後10年でなくなりますか?

製造業全体がなくなることはないです。

ただ「単純作業中心の現場仕事」は10年以内に大きく変わる可能性が高いと思っています。私がやっていたような「決められた分量をタンクに入れる」作業は、技術的には今すぐ自動化できます。コストの問題で残っているだけです。

なくなるかどうかより「自分の仕事が自動化されやすいかどうか」を考える方が現実的です。

製造業から転職するなら何歳までがいいですか?

早いほど選択肢が広いです。ただ40代でも転職できます。

20代なら未経験でも採用されやすいです。30代は経験とスキルで勝負できます。40代になると未経験職種へのチャレンジは難しくなりますが、製造業内での転職や管理職候補としての転職は十分可能です。

「もう遅い」と思い込む必要はないですが、動くなら早い方がいいのは事実です。

製造業で取っておくべき資格はありますか?

危険物取扱者乙種4類が一番コスパがいいです。

化学メーカーや石油関連では応募条件になっていることが多く、持っているだけで求人の幅が広がります。私も化学メーカーへの転職時に必須でした。他にはフォークリフト、QC検定、電気工事士なども転職市場で評価されます。在職中に取れるものは全部取っておきましょう。

製造業の将来が不安で転職を考えています。何から始めればいいですか?

まず転職サイトに登録して求人を見るところから始めてください。

「転職活動=今すぐ辞める」ではないです。求人を見るだけでも「自分のスキルがどう評価されるか」「どんな仕事があるか」の感覚がつかめます。登録は無料で、見るだけでも構いません。情報を持っている状態と持っていない状態では、判断の質が全然違います。

製造業に将来性がないと感じながら働き続けるのはリスクですか?

リスクです。正直に言います。

「なんとなく不安」を感じながら動かないまま年齢を重ねると、転職の選択肢が少しずつ狭まっていきます。私が10年工場にいて一番後悔しているのは、将来への不安を感じていたのに動かなかった時間です。

不安を感じているうちが一番動きやすい状態です。限界になってから動こうとすると、選択肢が一気に狭まります。「まだ大丈夫」と思っているうちに、情報収集だけでも始めておくことをおすすめします。


まとめ

  • 単純作業・マニュアル化された仕事は自動化のリスクが高い
  • 体が資本の仕事は長く続けられないリスクがある
  • 国内製造業は縮小傾向にあり、工場の統廃合も珍しくない
  • 工場のスキルは潰しが効きにくく、転職市場での評価が低い
  • ただし設備保全・品質管理など専門性の高い職種は別の話
  • 不安を感じているなら、在職中に資格取得と情報収集を始めるべき

「誰でもできる仕事」をしているという感覚は、将来への不安と直結しています。その感覚は正しいです。あとはその不安をどう活かすかだと思います。


将来性への不安を感じているなら、スキルの話も読んでおいてください。

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