「工場勤務」と一括りに言っても、実際に現場に入ってみると職種はかなり細分化されています。
私自身、最初に配属されたのは食品工場の製造ラインでした。
ただ同じ工場の中でも、品質管理や資材管理など、まったく毛色の違う仕事をしている人たちがたくさんいました。
求人票の「工場軽作業スタッフ募集」という一文だけでは、実際にどんな仕事をするのか想像しづらいものです。
この記事では、食品メーカーのライン監督と化学メーカーのオペレーターとして現場に立ってきた立場から、工場勤務の職種の種類と、それぞれの向き不向きについてお伝えします。
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工場勤務の職種は大きく5つに分けられる

ひとくちに工場勤務といっても、担当する工程によって仕事内容はまるで別物になります。
工場の規模や業種によって呼び方は変わりますが、大枠としては次の5つに分けて捉えておくと、求人票が読みやすくなるはずです。
- 製造ライン(組立・加工)
- 検査・品質管理
- 梱包・出荷
- 設備保全・技術職
- フォークリフト・搬送
製造ライン(組立・加工)
ベルトコンベアの前に立ち、決められた作業を繰り返す仕事です。
工場勤務と聞いて多くの人がイメージするのは、この職種ではないでしょうか。
私がいた食品工場では、ラインに立つ人のほとんどが女性でした。班長クラスになると、一人で3人分のトッピングをこなすほどの手際です。
同じ動作を何百回、何千回と繰り返すため、単純作業が苦にならない人には向いています。逆に、変化のない作業に飽きやすい人にはつらく感じられることが多いようです。

単調な作業中は、何度も眠気と戦っていました。

検査・品質管理
製品に傷や異物が混入していないか、決められた基準を満たしているかをチェックする仕事です。
品質管理の担当者は、私がいた食品メーカーにも化学メーカーにもいました。私自身は担当ではありませんでしたが、横から見ていて「体の疲れは少なそうだな」と感じていた職種です。

同じことの繰り返しで、正直ちょっと楽そうに見えました。
一方で、ミスが製品の安全性に直結するため、注意力を長時間使い続ける職種でもあります。
ミスが許されないプレッシャーを重く感じる人もいれば、決まった基準に沿って淡々と判断できるほうが気が楽という人もいるはずです。
梱包・出荷
完成した製品を箱詰めし、出荷準備をする職種です。体を動かす機会が多く、立ちっぱなし・歩きっぱなしになりやすいのが特徴です。
ただ、作業の区切りがはっきりしているぶん、達成感を感じやすい仕事でもあります。
設備保全・技術職
生産設備の点検やメンテナンスを担当する職種で、電気工事士や機械保全技能士といった資格が役立つ場面が多いです。
ライン作業に比べると専門知識が求められる分、未経験からいきなり配属されることは多くありません。社内で経験を積んでから異動するか、資格や実務経験を持って入るのが一般的です。
フォークリフト・搬送
原材料や完成品を工場内外で運搬する職種です。フォークリフトの資格があると採用の幅が広がります。
場合によっては時給や月給に資格手当が上乗せされる工場も少なくありません。
体力面での負担はありますが、ライン作業ほど単調ではなく、工場全体の流れを把握できる面白さがあるとも言われています。
私が働いた2つの工場にいた職種
ここからは、実際に私が働いた2つの工場にどんな職種があったのかを紹介します。
1社目は全国に工場を持つ大手食品メーカー、2社目は従業員300人規模の外資系化学メーカーの専門工場です。
食品メーカー
- 製造ライン(私はライン監督として担当)
- 品質管理
- 資材管理(容器や材料の個数を管理する仕事)
化学メーカー
- 製造(私はオペレーターとして担当)
- 品質管理
- 生産管理(製造の予定を管理する仕事)
化学メーカーにはほかにも職種がありましたが、正直すべては覚えていません。
一般的に塗料などの化学工場には、色を合わせる調色や、設備保全といった職種もあります。
化学メーカーのオペレーターの仕事
私の主な作業は、決まったレシピ通りに溶剤を決まった量だけタンクに入れることでした。
そのほか、2〜4tほどあるタンクを運ぶ力仕事も普通にあります。タイヤと鉄の棒がついたタンクを引っ張って、多い日は1日10個ほど動かしていました。
一番やりたくなかったのは「調整」の工程
化学メーカーの製造の中で、私が一番やりたくなかったのが調整の工程です。
別の溶剤や添加物を入れる量がシビアで、間違えると一気に製品がダメになってしまう繊細な作業です。

失敗すると、前の工程に作り直してもらうことになります。
ほかの部署に迷惑をかけられない、という意味でプレッシャーの大きい仕事でした。
逆に言えば、それ以外の職種は「どれでもできそう」と感じていたのが本音です。
職種によってきつさの種類がまったく違う

「工場勤務はきつい」とひとまとめに語られがちですが、実際には職種によってきつさの中身が大きく異なります。
同じ「きつい」でも、体力的なきつさと精神的なきつさでは、向いている人のタイプがまったく違います。
ここを理解せずに配属先を選ぶと、ミスマッチが起きやすくなります。
| 職種 | 体力面の負荷 | 精神面の負荷 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 製造ライン | 中〜高 | 低 | 単純作業が苦にならない人 |
| 検査・品質管理 | 低 | 高 | 集中力を保てる人 |
| 梱包・出荷 | 高 | 低 | 体を動かすのが好きな人 |
| 設備保全・技術職 | 中 | 中〜高 | 専門知識を身につけたい人 |
| フォークリフト・搬送 | 中〜高 | 低〜中 | 単調さより変化がある方が好きな人 |
体力勝負の職種
梱包・出荷やフォークリフトなど、体を動かす職種は体力的な負担が中心です。夜勤や交代制が組まれることも多く、生活リズムが崩れやすい面もあります。
私がいた化学メーカーでは、重いものが運べなくなった人は別の部署へ移るのが普通の流れでした。

腰痛持ちの人は、すぐに別の部署へ異動していました。
体力型の職種を選ぶなら、体を壊したときに別の職種へ移れる職場かどうかも見ておくと安心です。
神経を使う職種
検査や品質管理、化学工場の調整のような工程は、体力よりも神経を使う仕事です。
ミスが製品の安全性や会社の信用に直結するため、常に緊張感を保つ必要があります。体の疲れより、気の抜けない時間が長く続いてじわじわ消耗していく感覚が強くなります。
職種ごとの負荷の傾向を知った上で、実際の求人でどんな募集があるか見てみるのもおすすめです。工場求人テックで自分に合う工場を探してみる。
未経験から選びやすい職種、経験が要る職種

「工場勤務 職種」を調べている方の多くは、これから工場で働き始めることを検討している段階だと思います。
未経験からでも挑戦しやすい職種と、経験や資格が求められる職種を分けて考えると、応募する求人を選びやすくなります。
未経験でも始めやすい職種
製造ラインや梱包・出荷は、入社後の研修で作業を覚えられる職種が多く、未経験者でも採用されやすい傾向があります。
私が食品メーカーに入ったときも、特別な資格は求められませんでした。難しい専門知識よりも、決められた手順を守れるかどうかが重視される印象です。
資格や経験があると有利な職種
設備保全やフォークリフト、危険物を扱う工程では、資格の有無が採用や配属を左右します。
私が危険物取扱者の資格を取ったのは、化学メーカーに入社してから比較的早い時期です。

過去問を繰り返すだけで、一発合格できました!
私の職場では、合格したときだけ受験料を会社が負担してくれる仕組みでした。将来的に職種の幅を広げたいなら、こうした制度を使って働きながら資格を取るのも一つの方法です。
自分に合う職種を選ぶために
ここまで紹介してきたように、工場勤務と一口に言っても職種によって求められる資質もきつさの種類も違います。
求人票の「軽作業」「製造スタッフ」という表記だけでは判断がつかないことも多いので、可能であれば面接時に具体的な作業内容を確認しておくことをおすすめします。
- 体力を使う職種か、神経を使う職種か
- 未経験から始められるか、資格や経験が必要か
- 体を壊したときに別の部署へ移れる職場か
職種別・条件別に工場求人を探せるサービスを使うと、自分の体力やスキルに合った職場を見つけやすくなります。
まとめ
工場勤務の職種は、製造ライン、検査・品質管理、梱包・出荷、設備保全、フォークリフト・搬送と、思っている以上に幅があります。
実際の工場には、生産管理や資材管理のような管理系の職種もあります。
体力型か神経を使うタイプか、未経験で始めやすいか資格が必要かという軸で見ていくと、自分に合いそうな職種のイメージがつかみやすくなるはずです。
10年間現場にいた身として言えるのは、「工場勤務」とひとまとめにせず、職種単位で仕事を選ぶ視点を持ってほしいということです。

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