工場勤務でタトゥー・刺青はNGって本当?10年現場にいた元ライン監督が本音で解説

長袖の作業着と保護具を身につけて工場で作業する男性

「工場勤務ってタトゥーがあると採用されないんじゃないか」
「入ってから注意されたらどうしよう」。

求人サイトを眺めながら、そんな不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。
私は食品メーカーで3年、化学メーカーで7年、合計10年ほど工場現場で働いてきました。

周りにタトゥーが入っている同僚もいました。

今回はその実体験をもとに、工場勤務とタトゥーの本当のところを正直に書いていきます。

目次

結論:「絶対NG」ではなく「見える場所はNG」の工場がほとんど

先に結論からお伝えすると、タトゥーが入っているというだけで門前払いされる工場は、少なくとも私が見てきた範囲では多くありませんでした。

問題になるのは「タトゥーがあること」そのものより「作業中に見えてしまうこと」です。

工場の制服や保護具は基本的に長袖・長ズボンが前提なので、実はタトゥーが視界に入る場面自体がそもそも少ないんですよね。

とはいえ首や手の甲、指先など、制服で隠しきれない部位に入っている場合は話が別です。

この後の章で、食品メーカーと化学メーカーそれぞれの現場で私が実際に見てきた線引きと、タトゥーよりもずっと重く扱われているある確認事項について紹介していきます。

食品メーカーと化学メーカーで「厳しさ」の質が全然違う

一口に工場といっても、タトゥーへの厳しさの理由は業種によってかなり違います。

私は食品メーカーではライン監督として、化学メーカーでは車体用の塗料を作るオペレーターとして働いていたので、両方の現場感覚を比較できる立場にありました。

食品メーカーは「衛生」より「お客様の目」が本音の理由

食品工場だと「衛生管理上NG」というイメージを持たれがちですが、私の経験では少し違います。

工場に入る時点で帽子・マスク・長袖の白衣を着用し、腕まくりも禁止されているので、そもそも肌自体がほとんど露出しません。

つまり衛生面での実質的な影響は、タトゥーの有無にかかわらずほぼないんです。

それでも一部の工場が敏感になるのは、取引先の監査や工場見学でお客様が現場を通る機会があるからです。

私が監督していたラインにも腕にタトゥーが入っている同僚がいましたが、彼はいつも長袖をきっちり着て、休憩室でも人目を気にしている様子でした。

会社側から直接注意されたことはなかったものの、「見られたら面倒だから隠しておく」という空気は現場に確かにあったと思います。

化学メーカーはそもそも保護具で肌が隠れる

化学メーカーでは薬品や溶剤を扱う関係で、長袖のつなぎ・手袋・保護メガネの着用が安全上のルールとして徹底されていました。

素肌を露出させること自体が安全違反になるので、タトゥーが見えるかどうかを気にする以前の問題として、腕も手首も常に覆われています。

日勤で土日祝が休みという環境だったこともあり、正直タトゥーの話題が出たこと自体がほとんど記憶にありません。

安全管理が理由で結果的にタトゥーも隠れる、というのが化学メーカー時代の実感でした。

タトゥーより重要なのは「暴力団など反社会的勢力との関わり」の項目

実はここまで書いてきたタトゥーの話よりも、現場でずっと重みを持って扱われていたテーマがあります。

それが「暴力団など反社会的勢力との関わりがないか」という項目です。

多くの工場や企業が就業規則や誓約書にこの一文を盛り込むようになっていて、これはタトゥーの有無とはまったく別の軸の話です。

化学メーカー時代、途中から就業規則に一文が追加された

私が化学メーカーに勤めていたときのことです。入社した当初にはなかった項目が、途中の規則改定で就業規則と誓約書に追加されました。

「暴力団員でないこと、および暴力団・反社会的勢力と関係を持たないこと」という一文です。

突然のことだったので現場でもざわつきましたが、当時、私は労働組合の執行部を務めていたので、会社側からこの改定の背景を直接聞く立場にありました。

労働組合の執行部だったから分かった、改定の本当の理由

会社が説明していたのは、暴力団排除条例が全国的に整備され、取引先や従業員が反社会的勢力と関わりを持たないことを企業側が確認する義務のような形になってきている、という話でした。

工場に限らず、多くの企業が同じタイミングで似たような一文を就業規則に追加しています。タトゥーの有無を理由に採用を判断するより、この誓約の有無のほうがよほど重い意味を持つというのが、労使のやり取りを間近で見ていた率直な感想です。

つまり、見た目のタトゥーそのものより、契約書に何を誓約するかのほうが、実際の工場ではずっと重要視されているということです。

面接でタトゥーについて聞かれたことは一度もない

採用の場面ではどうなのか、気になる方も多いはずです。私自身、面接する側・される側の両方を経験しましたが、履歴書や面接でタトゥーについて質問された記憶はありません。

一方で、入社時に暴力団や反社会的勢力との関わりがないことを誓約する書類にサインを求められた経験はあります。

書類・面接でバレることはまずない

面接はスーツや長袖で行くのが一般的なので、腕や体のタトゥーが面接時に見える可能性は低いでしょう。

企業側も「タトゥーの有無」を採用基準として明文化しているケースはほとんど見たことがなく、少なくとも私が関わった採用フローでは一切話題に上りませんでした。

入社後に注意されるとしたら「肌の露出」がきっかけ

もし入社後に何か言われる可能性があるとすれば、それは「タトゥーがあるから」ではなく「規定の作業着を守っていないから」というケースだと思います。

暑いからと袖をまくったり、首元を開けたりして初めてタトゥーが目に入り、そこで指摘が入る、という順番です。

だからこそ、作業着のルールさえ守っていれば過度に心配する必要はないというのが、10年見てきた私の率直な感覚です。

タトゥーが気になるなら求人票のどこを見ればいいか

とはいえ、求人票に「タトゥー可」と書いてある工場はまずありません。この情報の非対称性が、応募をためらう一番の原因になっていると思います。

私がおすすめしたいのは、求人票の文面だけで判断せず、制服の支給内容や作業内容の記載を手がかりにすることです。長袖・つなぎ・保護具の着用が明記されている職種であれば、そもそも肌が露出しにくい現場だと予想できます。

それでも自分で判断しきれない場合は、担当者に直接確認できる転職サービスを使うのも一つの手です。

求人票だけでは分からない現場の雰囲気や制服のルールは、実際に担当者に聞いてみるのが一番早いです。気になる方は工場求人テックで自分に合う工場を探してみるのもおすすめです。

見た目より、続けられるかどうかで工場は選んでいい

タトゥーがあるからといって、工場で働く選択肢が閉ざされているわけではありません。

実際に私の同僚にもタトゥーがある人はいましたし、作業着のルールを守っていれば特別扱いされることも、腫れ物扱いされることもありませんでした。

大事なのは見た目そのものより、長袖や保護具を着けたまま何時間も体を動かせるか、単調な作業を淡々と続けられるかという、体力と性格の相性の方だと私は思います。

そしてもうひとつ、実際の採用や就業規則で重く扱われているのは、タトゥーの有無ではなく、反社会的勢力と関わりがないという誓約のほうです。タトゥーを理由に応募をあきらめる前に、まずは制服や作業内容の情報を集めてみてください。それだけで、不安の大部分は解消できるはずです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次